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この本がすごい2021(後編) 160冊から選ぶベスト5の発表です(221)

前編→

5位

システムの理解

JFL(日本の4部リーグ:奈良クラブが所属)は情報が少なく、

相手チームの選手も戦術も、事前には分かりません。

 

キックオフ→システムを確認→今日の攻略法を考えるという

地道な作業が、サポーターにも求められます。

予想フォーメーションとかスタッツとか、ないから。JFLには。

 

この本で便利なのが、よくあるシステムとその対処法(一問一答みたいだ)

システムというのは、4−4−2、4−3−3など、選手の配置と攻め方守り方のこと。

代表戦では毎回聞くけど、よく意味を知らなかった。

 

定番の戦術なら、長所・短所がすでに分かってます。

これを知ってるか知ってないかで、試合の理解がまるで違う。

「4−4−2」の弱点

1)サイドバックの背後

2)中央への眺めのボール

入試の参考書みたいな内容ですね。

どのスポーツも、ある段階から「勉強要素」が入ってきます。

立ち位置は超重要

以前、サッカーチームの監督に

「今年はなぜ”パス”が繋がるんですか」と質問したことがあります。

回答は「パスが通る場所に立ってるから」

 

サッカーは、どこに立って、どっちを向いて、どう動くかで

9割決まります。ポジショナルプレーってやつです。

 

この本は「センターバックはどこに立つべきか」のように

ポジション別に立ち方、向き、動き方をまとめてます。親切だ。

 

戦術やシステムをちゃんと勉強したい人には、

岩政さんの本が頼りになります。

(鹿島アントラーズのコーチ就任、おめでとうございます)

 

4位

有名人が会社を作ったら、経営が全然できてない。

自分の稼ぎで倒産しないよう支えてるのに

社員やユーザーからはぼろくそに言われる…。

 

プレーヤーが社長になった(独立した)ときによく聞く話です。

 

失敗談が「あるある」です。起業本では特に。

東浩紀さんを知らない、独立してしばらく経った人が読んだ方が

勉強になると思う。

 

「ナンバーツー指向の人間」という概念が、一番勉強になった。

 

社長が会社をあけて(経営にタッチせず)

社内をナンバーツーに任せきりにすると、

知らない間に中身が入れ替わってて、その人なしで会社が動かなくなる。

 

責任をとらないけど社長の仕事をしたい人は

どこにでもいるので、そういう人を呼び寄せないように、ということです。

 

3位

10月〜11月のマイブームは「野球」でした。

#オリックスがんばれ

 

この本は「選手育成」を正面から取り上げた一冊。

アメリカでは有名な本です。

 

スポーツ系出版社で、引き受けるところがなかったのでしょう。

なぜか化学同人から出版されました。

 

ボールの変化量、回転量を計測しながら新しい変化球を作る話。

ダルビッシュ選手さんのYoutubeチャネルに出てくる話は

この本が起点らしい。

 

NPBの投手が自費で訪れるドライブライン 最初は倉庫を間借り、粗末な施設だった - スポーツナビ

 

日本だと、DeNAや楽天が組織的にやってます。

変化球が増えた選手、配球が変わった選手は、ラプソードが関与してます。

 

他にも、審判のストライクゾーンを3D測定するようになって、

「2ストライクから外角のストライクゾーンが広がる」現象が消滅。

アウトローの時代が終わり、高めに回転数の多いボールを投げて空振りを取る時代に。

(こういう情報も、専門書にしか登場しない)

 

高めのまっすぐと、空振りを取れるウイニングショット。

球種を絞って成功する選手が増えた。

 

出てくる事例すべてが興味深いので、

「マネーボール」で目からうろこが落ちた人には特におすすめ。

 

本は分厚い(新書3冊分)し高い(3000円以上)ので

読み手を選ぶ本だと思います。

(高いハードルを越えて)手に取った人なら、

必ず満足してもらえると思います。

 

最初の30ページを読んで面白くなかったら、

本の代金を払いますよ。連絡を頂ければ。

 

2位

2021年も、新型コロナウイルスに振り回された一年でした。

 

「ワクチン接種が最優先」と言い続けた総理が退陣し、

その後急速に感染状況が落ち着いたり(ワクチン最優先策は、結果的に成功だった)、

デルタ株もオミクロン株も、脅威を振るわず先細りになったり。

 

未知の出来事です。

対応を間違ったり過剰反応してしまうのは仕方ありません。

 

普通の人が知りたいのは、クラスターが発生した会社名やウイルスの知識ではなく

「何年で収まるか」「どういう順番で正常化するか」です。

 

政府の諮問機関や研究者は、こういう予想を絶対にやらない。

 

すべての予測を悲観側に倒すので、いつ何のニュースを見ても

「コロナが永遠に続く社会」しか見えない。

感染状況が収束しても自粛を続け、数年後に「実は収束してました」というのは

科学的に正しくても、社会的に正しくない。

 

この本は「コロナ収束へのロードマップ」です。

「収束までだいたい3年」という予測とその理由。

民間(戦略コンサルティングファームのコンサルタント)が書いてるので、

どこかの企業向け資料を、流用したのでしょう。

 

2020年10月刊行なので、

コロナ元年の第二波のあと、GO TOトラベルが開始されたあたり。

確かに情報は古いのですが、

「なぜこの本が存在するのか」

「民間・専門家じゃない人間がどうやってこの本を執筆したのか」

を考えながら読むと、得るものがあります。

 

公式「以外」の情報に気軽にアクセスできること。

非常に大事です。

 

1位

決断・決定に関する科学読み物。

これは役に立った。特に良かったのを三点。

「パーティーに行くべきかどうか」という問題設定がダメ

○×で判断すると「○」だし、やったほうがいいのだろうけど

どうしても気が進まないこと。たくさんあります。

 

そもそも、ひとつの選択肢から一つを選ぶのは「選択」じゃない。

「ダイエットするか否か」

「英語の勉強をするか否か」

と聞かれればそりゃ「Yes」でしょう。

 

おかしな問題でも、問題を設定した時点で、

「その問題」の範囲で物事を考え、視野が狭まってしまう。

「○か×か」式の争点には注意すること。

「実行前の小さな実験」が有効なのは「詳しい情報が必要」な場面。

「全力投球が必要な場面」では必要ない。

意思決定の専門書は「始める前の手助け」にはなるけど

実際に始まったあとは、別の能力が必要になります。

(実行力とかGRITとか)

 

もう軍に入隊した人に必要なのは、目の前の訓練をこなすことであって

「軍とは何か」を探ることではない。

 

必要な情報を必要な時期に得られるのは、幸運なことです。

親友が「自分と同じ状況」のとき、自分ならどうアドバイスするか

自分のことだと「細かいパラメータ」まですべてを考慮したくなるが

他人のことだと「一番大きいパラメータ」だけに絞って判断できる。

(ことわざの「岡目八目」と同じ意味です)

 

周囲の問題が「アドバイスするなら」のものさし一本で

さっと解決したので気持ちよかった。

 

拾い読みできし、章ごとに「まとめ」があるので

とりあえず購入して、気になった章だけ読んでみよう。

 

ちなみに、Kindleセール(ハヤカワなので:だいたい半額)の常連です。

 

2022年は何を読むか

経営書・ビジネス書・新書の割合を増やす予定です。

 

最後に、本を選ぶ・買う基準です。

1)書店に行って買う
ここ2年、都心部へ出る機会が減ったので
大型書店へ行く機会が減りました。
2)定番・ロングセラーを買う
新刊・ベストセラーよりこっち。
ベストセラーは、定番を押さえてから。
2)定価で買う
3)一冊ずつ買う
4)すぐ読む本を買う
定価でいいので、必要な物を必要な時期に買うようにしたい。
要約すると「電子書籍のセールでまとめ買いをするな」
 

まとめ

2022年もいい本に巡り会えますように。

 

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