↑右奥が試合会場(ならでんフィールド)
左手前がGMレビューの会場(スターバックス)。同じ敷地内です
奈良クラブには「試合直後にGMがその試合を解説」という
珍しいイベントがあります。
☆Maiki Review ※主催試合のイベント情報から抜粋※
当日の試合でチームは何を狙い、そのためにどのような練習をして、結果として何が起きたのか。試合後、GM林舞輝がサポーターへ生解説。
※ソシオ会員限定(事前申込制)
【時間】17:20頃予定(試合後)
【場所】スターバックスコーヒー奈良鴻ノ池運動公園店(予定)
【内容】奈良クラブGM林舞輝による試合の振り返り
9/15(日)第21回JFL 第21節 vs. テゲバジャーロ宮崎戦 試合情報 | 奈良クラブ | NARA CLUB Official Site
GMレビューは、サッカーに詳しい人が2割で残りは普通の人です。
試合解説が7割、前後の話が3割くらい。
確かにリピーターは多いのですが、初めてでも楽しめます。
理由があって紹介できないことが多い(後述)ので、
ぼかしてるところや改変してる部分があります。
文責は私にありますので、問題があればご連絡ください。
林舞輝GMの紹介
(スポーツ好奇心)サッカー・奈良クラブGMに大学院生 なぜ?:朝日新聞デジタル
https://hochi.news/articles/20190314-OHT1T50086.html
現在24歳、現場サイドの最高責任者です。
会社でいうと副社長か専務、代表権がもらえるくらいのポストです。
都立日比谷高校(めっちゃ頭いいやん)からイギリスにコーチ留学、
ポルトガルの指導者養成学校に進学。
新世代コーチ、林舞輝の挑戦。前例なき23歳GMの誕生秘話 | footballista
中川社長が舞輝さん招聘を決めた話も。
オファーの中でカテゴリも給料も一番条件が悪かったらしいんですが、
仕事の自由度が高いので来てくれました。
勝っても負けても引き分けてもマイキレビュー。#naraclub#奈良クラブ pic.twitter.com/ost7om3WjL
— 中川淳改め、中川政七 (@jun_nakagawa13) September 15, 2019
となりで中川社長も聞いてます。
席が少ないので立ったまま、サポーターの横で。
現場総責任者が質問に全レス
GMレビューは質疑応答形式。
聞いたら何でも教えてもらえます。
めっちゃ詳しい人は突っ込んだ質問をしますし、僕はいつもアホな質問をしてます。
記者会見だと、台本通りのコメントを読み上げる人も多いのですが
舞輝さんはかなりオープンです。
外で書けない内容ばかり
相手チームの分析、キーマンへの対応、交代枠の使い方、
コーチ陣からの試合中の指示は、必ず説明されます。
相手チームの分析も表に書けないですし
自チームの選手のタイプと起用の意図もそうです。
カウンター型のタイプとかFWが強力なタイプの場合、
チーム全体としてどう戦うか…というお話が面白い。
あと、一人だけJ1、J2クラスの選手が混じってる時とか。
あ、今回(9/15)は、新戦力のFW二人への評価がされてました。
遠藤選手、金選手、ともに絶賛です。取ったGMはもっとすごいよ!
難を言えば
奈良クラブはJFL。そしてDAZNが放送するのはJ3から。
つまり映像が手に入らない。
GMレビュー後に内容の確認したくても、自分で撮影するしか。
敵チームの映像を集めるのもきつい。
こういうのは、ボードで説明するのもいいけど
動画を再生しながら誰の動きがどうかと説明するのが
素人にはありがたいです(そっちだと手間がかかりすぎる)
他に、教わったことから印象的なお話を。
(例によって)構成と見出しはこちらで変えてます。
日本人が決定力不足な理由
日本で友達と「サッカーしようぜ」というと、パスをはじめる。
日本人はパス大好き。繋いで取った、みんなの1点だ。
イングランドで職場の仲間とサッカーをすると、
最初からシュート練。アップなしでもシュートシュート。
そりゃシュート力がつきますよね。サッカー=シュートなんだから。
理由も一応あります。
イングランドはグラウンドの芝がボコボコ、荒れてます。
ほぼすべてのグラウンドがラグビーと共用だから。
なので、パスがまっすぐ通らない。
パスがまともにできなかったら、ミドルでも無理な体勢でも
ガンガン打ってくる。
日本代表の決定力をつけるには、グラウンドを荒らせばいいのか?
「ピンチでクリア」は超大事
敵のシュートが外れて/ボールを奪ったとき、「クリア」します。
クリアボールが敵の「底」より手前だと
ボールの位置が下がっただけ。攻撃はそのまま続きます。
エンドレスで攻撃が終わらない。
最低でもハーフラインの向こう、
できれば敵で攻撃参加してる人の後方に飛ばさないといけません。
そうなれば、ルーズボールを味方FWと敵DFが追っかける形になるので
100回に1回くらいボールが取れるかも知れない。
取れなくても、その場所で競ればエリアが回復できる。
「クリア力」超重要です。
ですが、「クリア」の練習をしてるチームはどれくらいあるでしょう?
練習すれば筋力もついて飛距離が出る、いい場所に飛ばせる。
試合で必ず使うスキルなのに練習しない。どうして?
カウンター型チームへの対応
考え方として二つ。
カウンターを受ける回数を減らすか、受けたカウンターを上手に防ぐか。
カウンターを10回受けそうなら、それを5本に減らす方法がある。
減らし方は簡単。「ゆっくり攻める」
ボールを持ったらゆっくり攻めて、ゆっくり時間を使う。
こっちが持ってる時間が増えれば、カウンターの回数が減る。
なのでピンチも減る。
カウンターで急いで攻められる、ボールを取る、急いで攻める…
の繰り返しだと、カウンターの回数が多いので失点も増える。
よくいう「ポゼッション」を言い換えただけだと思いますが
こういう方向から「速攻」を説明された記憶がないです。
説明が上手いなあ。
まとめ
こんなふうに、終了直後に「後半○分のプレスが」とか
「最初の10分は押し込んでた」とか説明があります。
その場で集中して見て、すぐに教わる。そして帰ったら忘れる。
まじめに90分ちょっと試合を見て、試合後に40~50分のレビュー。
かなり頭を使います。面白い。
こういう楽しみ方、今までのサッカーにはなかった。
奈良クラブのビジョン実現のために
目立つプレーなら拍手を送るサポーター。
地味でもいいプレーに拍手を送るサポーター。
選手が育つのはどっちでしょうか。
現状だと、参加者は来場者の100人に1人くらいでしょうか。
単価も安いですし、これ単体で収支をどうこうというより
「奈良を学びの都にする」というビジョンのための「教室」でしょう。
2019年 | 奈良クラブ | NARA CLUB Official Site
残り試合も少なくなってきましたが、是非。
ソシオに入って、イベントのチケットを買ってから来よう。
コアなサッカーファンにはオススメですよ。