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JFLから奈良クラブへの処分決定&中川社長退任など:12月26日の動向(観客数水増し問題その4)(157)

JFL側の処分と奈良クラブの社長辞任が発表されました。

 

【JFLオフィシャルサイト】お知らせ「奈良クラブ入場者数の水増し行為に対するJFLの対応について」

 

今後のクラブ運営体制について | 奈良クラブ | NARA CLUB Official Site

 

論点がいくつかあるので整理しておきます。

混乱してる人が多いし、時間が経つと意味が分からなくなると思いますし。

(新しい情報はないです:あらかじめお断りしておきます)

更新履歴

19.12.30 引用元、主語述語が分かるよう修正  

19.12.31 記事のタイトル、紹介する本を変更 

1)JFL側の処分

「11人の群れ」の会見レポートを元に、いくつか解説します。

 

まず前提から。

JFLは会見をやってる。撮影させない理由は不明 

報道はプレスリリースがベース。会見を元にしたがのはほとんどない

(報道されないのは、ニュース価値が低いから?)

変な憶測を生むのは、必要な人に情報が届いてないからです。

会見を動画配信してもらえれば解決します。

(Youtubeなら無料で出来ます) 

奈良クラブへの処分

罰金100万円

(過去の水増し案件と懲罰)

Jリーグで2件(大宮、長崎)、JFLは1件(今回の奈良クラブ)

 JFLでは前例がないので、Jリーグの過去の処分事例を参考に案を作成。

 

規律委員会(処分案作成)→理事会(審議)→JFA(最終決定)

 

という順で処理されました。 

(質疑応答より引用)

記者E JFLには懲罰規定というものは無いのでしょうか?

加藤 無いです。どうなっているかと言うと、JFAの懲罰規定の中でどういう風なのに該当して、その場合にどういう処分を下せるのかという、そういう流れで行うのですが、Jリーグだけ独自の司法機関があって、それをして良いということになっているんですね、ただJリーグ以外のところは全てJFAの懲罰規定に則ってことを進めるという事になっています。

※傍線部筆者、以下同じ

今回の処分では

「JFA懲罰規定第3条第2項により、JFLには決定権はなく、

JFA裁定委員会により決定・適用になります」という追記がついています。

 

JFLとJFAは同じビルにありますし、名目上別組織ですが関連団体でしょう。

内部調整はやりやすいと思います。

Jリーグ、JFL、JFA(サッカー協会)の関係

よく「JFLは4部リーグ」といいますが、

JリーグとJFLは上下関係にありません。別組織、別のリーグです。

JFLからJに加入したいクラブは、Jが個別に審査します。

 

JFLの問題をJが裁くのはできません。

Jリーグのライセンス関連の処分も、JFAにお願いする形です。

 

(社長・運営責任者への処分)

中川淳 2020シーズン第10節までフィールド、ベンチ、ロッカールーム等の区域への立ち入り禁止

矢部次郎 譴責(始末書提出) 

矢部さんが4シーズン、中川さんが1シーズン水増しを行ってます。

中川さんの処分が重いのは以下の理由。

(質疑応答より引用)

加藤 もともとやってたのは矢部さんで中川さんは1年だけでしたと、ただやっていることは同じなので、ただ中川さんの方が少し重いんです、10試合、これけん責より少し重い処分になります

で、実は中川さん今回ですね、12月6日に水増しをやったと言うことをこちらに報告と言うか、来られたんですけれど、その時に矢部さんも同席していたんですけど、その前日、私どもの表彰式があった日ですね、12月5日、ここで1回目の報告に来られました。中川さんだけです。中川さんと私と、Jリーグ100年構想クラブということもあったので、Jリーグから1名ですね100年構想の担当の方にも一緒に聞いてもらって、今回の件、諸々SNSとかでですね、水増しがされているんじゃないかと言う情報があったことに対してどういうことなのか?と、1回目の報告に来られたんですけれど、その時は基本的にやっていないとおっしゃってました、こういう理由で、例えば間違って数えてはいけない方まで数えてたとか、そういう理由をいくつかおっしゃって、間違いをしてましたと、そんな報告だったんですね、ただ私が話を聞いていてもですね、ここまでの数を間違えるのかと、私どもはあくまでも参考として、今回の件を伝えて来られた方が何人かいたので、まあその写真だとか、そういうのを見て、それでもなかなかそこまでの数は違わないだろうと言うような感じを受けていたので、色々と話をした中で、こちらとしても説明について納得できない点がありましたので、もう一度こちらの方で納得できるような調査をしてもう一回来てくださいと、まあその日は少し時間が無かったせいもあったんですが、そういうことで一旦お帰りになって、そうしたらその日の夕方に、もう一回明日行きたいと言うことで、6日は矢部さんと2人で、この日は私と上保とJリーグの担当の方と3人でお話を聞いたのですが、まあ来て直ぐに、実は水増しをしていましたと、言うようなことだったんですけれど。ですから、中川さんの処分が少し重いと言うのは、今回の水増しということ自体の問題と、もう1つは今回この報告について、1回はやっていないと報告してその翌日にやりましたと、つまり1回虚偽の報告をしたということもあり、中川さんの処分を少し重くしたと言ったようなところであります。

12/5(1回目の説明)では、中川さんは「集計方法の問題」と説明していたが、

当日中にJFLに連絡をとり、翌日(12/6)に再度の説明の機会を設定。

その際、中川さん・矢部さんは「水増しの事実」を認めました。

 

1回目の説明の時点で、11/29の連絡時から1週間以上あります。

JFLからの質問を受けて、観念したんでしょう。

「まだ嘘をつくのか」とは思いますが、ずっと不正を続けてきた人たちです。

ここまで来たら、いつ認めても一緒でしょう。

 

なお、12/5(1回目の説明)で時間がなかった、というのは、

年間表彰式の前(※午前中の模様)で10分20分程度の時間しかなかった…という

意味だと思います。通常の聞き取りなら、1時間はかけるでしょうし。

(質疑応答より引用)

加藤 一昨日実は中川さんから連絡があって、社長を辞められると、実はこれも説明しなくてはいけなかったんですが、これはもう発表になっているのですが(この質疑応答が行われいる時間帯に奈良クラブが正式に中川社長の今季限りでの辞任と後任社長情報をリリース)6日に帰られる時には「社長をやります」とおっしゃっていて、その後に連絡があって、チームとしての個人の処分は1年間の報酬の返上、社長中川さんですね、それから矢部さんが報酬の30%返上になりましたと、今回の理事会ではそう言うことも基に、これどういうことかと言うと、長崎とか大宮であった時は個人の処分って言うのはJリーグはしていないんですね、と言うのは何故かと言うと、社長だとか取締役、大宮なんかは役員全員が退陣したんですね、長崎もそれとほぼ同じような状況だったので、もう辞めてしまうと処分そのものが出来なくなると、処分の必要がなくなってしまうことで、今回はまだチームに残るということだったので、これその段階で辞めてしまうと言うことであれば、この10試合って言うのをしても何の意味も持たなくなっちゃうんで、でも一昨日ですね、突然辞めますと。まあいつからかって言うのは、法人の期が2月1日~1月31日なので一応2月1日の段階でバトンタッチしますと、まあ今回の件もあったので、適任者がいればバトンタッチをしなくてはいけないなと考えていたんだけど、直ぐにそういう方が見つかるとも思えなかったので、一先ずこういった形で対応しましたが、適任者が見つかったので、2月1日にバトンタッチします、だから私は辞めますと言う風になったので、そうなると、この10試合の処分は処分として成り立たなくなっているんですね、ただ辞めるって言うことなので、まあそれはそれで対応はするつもりなんですけれど、まあちょっとここのところがですね、理事会においては決定事項なもので、理事の皆さんには昨日こういうことでと、明日皆さんにお伝えする時には、そこの所を含めてお伝えして、この事については2月1日からだと言われていますので、改めて理事の皆さんにはご相談させて頂きますということで、了解は頂いております。

 (中川さんに立入禁止処分がされた理由)

過去の水増し事例では、個人への処分は行っていない

(=社長を始め役員が退陣しているため)

中川が社長を続けるという言ったので、個人への処分を行った

(今後も運営に関わる=水増し継続が可能なため)

退任の連絡は12/25、中川への処分決定(12/23)後。内容は動かせない

処分に実効性がないので、JFL理事会で再度協議する方針

退任を確認後、中川宛の処分を取り消す?

中川さんが重罪になったのは「余計な嘘をついた」ためで、

矢部さんが会社に残った(残れた)ことと何の関係もありません。

(質疑応答より引用)

記者D 矢部次郎さんは、この中川さんの前任の社長ということでよろしいでしょうか?

加藤 いえ、違います。

上保 正式に申しますと、JFLへの法人登録が昇格した年から4年間はNPO法人だったんです、昨年の年末にNPO法人から(クラブ運営をする)株式会社を立ち上げたので、株式会社の方に移管しますということで、その社長が中川さんで、矢部さんがナンバー2的な立場になって、JFL理事を引き継いでいるということですね。

加藤 今年の夏くらいまでは矢部さんも副社長をやられていたのかな、NPO法人の理事長は矢部さんがやっておられると

NPO法人→会社に組織変更したこと、

矢部さんがNPO法人理事長、株式会社の代表取締役の二つの肩書きがあることは

相当詳しい人しか知らないでしょう。

 

奈良クラブ公式サイトの矢部さんの肩書きは「代表取締役」とあります。

「副社長を辞任済」は確定ですが、まだ代表権はあったようです。

(肩書きは平取締役?) 

 

JFLの理事会には、加盟チームから1人ずつ理事を出してます。矢部さんも理事です。

自分の処分を自分で審議するって、どういう気分なんでしょう。

 

(Jリーグからの処分は?)

(質疑応答より引用)

B 先ず、起こったことがJFLでの話なんですけれど、当然J3昇格に関わる案件でもあるわけで、この件についてJリーグ側から何かしらの処分ですとか、そういったものはあるんでしょうか
加藤 そこはですね、チェアマンが正式にコメントを出していますよね、7日にこの件をリリースさせて頂いて、チェアマンが「大変遺憾である」と言うような形で出していると思うんですけれども、基本的に処分は私どもの方で処分をして、Jリーグも処分をするって言うことは、ある種の二重罰という形になるので、処分と言う形では多分出来ないんじゃないかなと言う風に思います。ただ、この例が適切かどうか分からないんですが、曺監督の時に、これはJリーグの問題なのでJリーグが処分を下しましたよね、でJFAが処分ではありませんが、S級ライセンスのところでは少し触れたと、それと同じように百年構想クラブとして、違反行為があったりした場合には何らかの対応が出来るようになってはいるらしいので、するかしないかは分かりませんが、今後それに対して、一応12月の理事会では報告をしたという所までは聞いています。ただ、それ以降Jリーグで何かするのかしないのか、これは私どもでは少し分からないんですが、今言ったようなことが出来ないことはないと聞いています。

Jリーグ側は、(直接の管轄である)JFLの処分待ちだったと思います。

これから処分を行うには、2020年の開幕:J(2月中旬)、JFL(3月中旬)に

間に合うんでしょうか。年明けには日程発表ですよ。

 

発覚以前の百年構想クラブ、J3ライセンスで対応すると

過去の書類の再提出や当時の審査状況の確認など、意味のない作業が発生します。

 

2020年以降の審査を厳しくする(ライセンスを出さない)で片付くので

やるならそっちかな、と思います。

Jリーグからの処分(私の予想)

「2020年の昇格ができなくなる(=2021年のJ3ライセンスが出ない)」 

2020年は観客数要件をクリアできないだろうから、実質おとがめなしです。

2019以前も、成績要件をクリアしてないので、実質おとがめなし。

(何らかの影響が出てたら、もっと大きい処分になったかもしれない)

 

(内部告発の詳細)

(質疑応答より引用)

B 確認なんですけれども、告発と言いますか、恐らく奈良のボランティアの方からJリーグの方に最初封書と言いますか、そういった訴えがあったと聞いているのですが。

加藤 そうですね。今回の件の始まりはもうちょっと早く、一番初めは4月くらいに匿名でそういうものがあった。ただこういうことは今回だけでなく、過去にも時々あるんですね。ただ過去にあった時には、確認をしたりとかして、実際に水増し行為が過去にあったことは無いです。ただチームには注意を促してはいて、上保がホームゲームに行ったりした時(7月27日奈良対東京武蔵野戦)にも、丁度その時は台風が来たときで、お客さんが少ない時でハーフタイムにもかなり降っていて、人が帰っちゃったりしていたので、なかなかそこのところの把握は出来なかったわけですけれど、あとは他のチームがちょっとそういうことを感じた人間が、リーグの方に言ってきたりとか、そういうことがある中で、ぽつぽつぽつと1年の中にそういうことがあったんですね、ですから、私どもとしての反省点としては、もう少しそこで踏み込んでいれば、もしかしたらもっと早くこの件については、何らかの対応が出来たのかも知れないと、これは非常に反省しているところです。ただ、これが動き出したのはリーグが終わる頃ですね

上保 11月29日です、28日に発送されて29日にチェアマンのところへ来て、そのタイミングで僕のところに、そのボランティアさん、実際にはもう名前を名乗ってくれていたんですけれども、その人から証拠となる画像が出てきましたと、上保さん見てくれませんかと、いったところで僕がこういう風なことがあったんだと、すぐに奈良クラブに対して、12月1日が最後のホームゲームだったものですから、ちょっと運営体制をしっかりしてくれよと、言う話をしたのですが、最終戦でもやってしまって、それで何とか平均2,000人にまで持ってきていたと。

(質疑応答より引用)

上保 12月5日に、2回目のチェアマン宛文書が来ているんです。

加藤 その時は、はじめは1試合だけだったのかな

上保 はい、第2節の奈良・橿原でやった試合で500人くらいしか入っていないのを1,000人で出している(正確には第3節の対ホンダロック戦)、チェアマンが4月に奈良へ行っているんです(4月14日第5節対流経大ドラゴンズ戦)その後に僕の所へボランティアさんが、そのボランティアさんはダイレクトにチェアマンに言おうとしたらしいのですが、それは後から僕も聞いた話ですが、でもそれを言えなかったので、匿名で最初、4月20日前後だったと思います電話をされてきて、ただ結構そういうのってフェイクニュースも多いので、一つ一つ僕らも対応は出来ないので、ただどんな電話があっても、必ずチームには伝えます、こんな電話があったから、確認した方がいいぞと、当時の運営委員には必ず伝えます松江の件もそうです

(要約)

過去に別チームに対しても、水増しの指摘はあった。

あやしげなものもあるので、全件調査はしてない。ただ、指摘があったことは運営チームに伝えている。

JFLが調査したことはあったが、水増しの事実は突き止められなかった。

水増しの疑惑は何回か浮かんでいた。もっと早く対応すべきだった。   

時系列の資料を作ったのでよければ。

(こういうのを作るのが好きな人です) 

(シーズン開始~中盤)

4/14 奈良クラブホームゲームに村井チェアマン(Jリーグ)が訪問

 ボランティアがチェアマンに直訴しようとして失敗

4/20? 匿名で電話

 JFLが奈良クラブに連絡、注意を促す

7/27 JFL事務局長が奈良クラブホームゲームを視察

(SNS告発から公表まで)

11/28 SNSでの告発(と同内容の郵便)がJリーグチェアマン・JFLに到着

11/29 JFLが奈良クラブへ運営方法の要望を出す

 ※奈良クラブ最終戦(12/1)を念頭に置いて

12/1 奈良クラブ、最終戦でも水増しを継続、年間3万人のJ3昇格基準を達成

12/5 JFLへの説明(1回目) 中川、集計方法が誤りだったとの説明

同日 全試合のスタンドの画像データが到着したと、JリーグよりJFLへ連絡

同日 中川、夕方にJFLへ連絡、説明の機会を設定

12/6 説明(2回目) 中川・矢部が水増しを認める

12/7 奈良クラブ プレスリリース(水増しを公表)

(処分確定まで)

12/20 JFL理事会

12/23 奈良クラブへJFAから通告書

 個人(中川、矢部):確定、チーム:反論の機会(3日間)

12/26 個人、チームとも確定

12/27 JFL(処分の公表)、奈良クラブ(社長退任)のリリース 

 

2)奈良クラブの社長交代

奈良クラブのファンクラブ(ソシオ会員)向けに経緯説明のメールが送られてます。

(19.12.26 17:46に受信:リリース当日です)

 

メールには中川・矢部両氏の気持ちが正直に書いてるので、

どこかから入手してお読みください。

(非公開にする意味が私には理解できません)

 中川社長の退任

関係機関への謝罪を続けた、後任社長を探した上で退任を決めた、

この二点は、評価できると思います。

(僕が当初考えていた形で決着しましたし)

 

中川さんの2019年シーズン当初のインタビュー(かなり面白い)と

鳥羽周作さん(飲食担当)・林舞輝さん(GM)を呼んできたのがなければ

奈良クラブに興味を持つことはなかったと思います。

 

今後、中川体制がどこまで刷新されるのか。

元に戻すのか、浜田色を打ち出すのか。

スタジアムのイベントでも、続けて欲しいことはたくさんあるので、

うまく引き継いで欲しいです。

(観客数自体は増えてました:実数ベースでも)

 

あと、ソシオ向けの説明にあった

「一度不正を犯した人間のことをどうやって信じることができるのか」

という言葉、私が言ったことです。

 

水増しはやっちゃいけないことですが、

一生を牢獄で終えるような重大犯罪じゃないです。

 

中川さんも、元々は一スポンサーです。

「奈良クラブ一味」で「昇格を願う」なら、応援するのが筋でしょう。

しばらくスタジアムには来れないでしょうが、落ち着いたら遊びにきてください。

矢部さんの残留(スタッフへの降格)

即刻辞めて欲しい、って人が相当数いると思いますが、

別に実害もないし、しばらく働いてもらえばいいでしょうと思います。

 

あの規模(常勤スタッフは10~20人です)のスポーツクラブだと

社長も含め、全員が全部の仕事をしますし、できます。

遠征のときはもちろん、ホームゲームならなおさら。 

(矢部1)不祥事の張本人に何をやらせるのか

クラブは単純に人手が足りないので、幹部総退陣だと

現場が回らなくなると思います。

 

なので、「元社長が現場スタッフを」はできるだろうし、

「元社長だから」他のスタッフに影響力を駆使できるというより

「経験者・先輩が」後輩を指導するのに近いと思います。

 

矢部さんとしては、1年かけて中川さんに社長業を引き継いだのに

その中川さんがやめてしまった形です。

引き継ぎ期間がもう1年伸びたと思って、

2020年の働きを見てから(処遇を)考えればいいでしょう。

(矢部2)もう影響力は残ってない

あと、今の矢部さん。

対外的にも、クラブ内部でも、まともな人間なら言うことを聞きません。

今後、不正につながるような重大な仕事など、できません。

 

辞めさせようと思えばいつでもできますよ。

焦ってやめさせる必要もない。

 

残る方が辛いのは、当人も周囲も一緒です。

サポーターは、しばらく見守るのがいいと思います。

浜田満さん(新社長)

サッカー関係者から評判がいいですし、経営者としても優秀なんでしょう。

40代半ばで大きなビジネスをやってるようです。

 

「引き受けていただいてありがとうございます」以外に

具体的なエピソードも何もないですが、気になる点をいくつか。

(全部、浜田さん本人が一番分かってることでしょう)

(懸念1)何年続けるつもりか

バルセロナの看板でやってる人が地方のJFLチームの運営をやると

諦めないといけないことがいっぱいでてきます。

複数のブランドでサッカー教室の運営、やっていいんでしょうか?

(うちの業界ならコンフリクトにひっかかります

 =できるのは一つだけ、残りはすべて諦めます)

 

浜田さんは40代で本業が順調な方。

2年以上やってもらえれば嬉しいですが、本業に割ける時間を含め

すぐに壁に当たると思います。

 

現状では、中川さんが残っても、いいことは一つもないです。

 不祥事で経営陣を総入れ替えする必要がある、

なんとしても代わりを探さないといけない。

浜田さんは(中継ぎを前提に)社長を引き受けた。そう見てます。

 

※ 中継ぎ=「60歳まで専業で続けるつもりはない」という意味です

(懸念2)社風が違う

(調べてもらえれば分かりますが)浜田さんの会社は

人気クラブの公認で高単価・高品質のサービスを提供するスタイル。

 

奈良クラブは矢部さんが作った組織で、ごく最近までNPO法人でした。

組織も人員も、行き届かない点が多々あります。

 

浜田さんも、役員や専任のスタッフも連れてくると思いますが、

体質の違う組織に入っていって苦労されると思います。

(懸念3)社長業に専念できるのは当分先

12/7 奈良クラブ、水増しを公表

12/26 奈良クラブ、2/1からの社長就任を発表

2/1 浜田満社長が就任(予定)

 

社長業(本業)の引き継ぎは、1ヶ月強で不可能です。

最低でも数ヶ月は、自分の会社との兼業になります。

(中川社長は、ほぼ専従:本業は月数日の出勤だったらしい)

 

ただでさえマンパワーが足りないのに

社長が週数回しか来れないなら、ちゃんと業務は回るんでしょうか。

 

3)報道の様子 

奈良県初のJリーグ参入を目指し、地域に愛されるチームづくりを掲げてきた矢部次郎さんの辞任は、奈良クラブの今後に少なからぬ影響を与えそうです。

ニュース動画が見れます。

奈良テレビ的には、矢部さんの降格(代表取締役→いちスタッフ)が

一番のニュースなんですね。辞めさせたい人ばかりだと思ってました。

報道関係(一度取材を断った相手)から悪い印象を受けてるでしょう。

NHK奈良放送局とか奈良新聞とか。

 

まともな関係に戻すには、相当の努力が必要ですが、

あのクラブからは「取材させてやってる」というオーラを強く感じます。 

いつもの調子で 取材依頼をしても、相手にされないでしょう。

 

4)最後に

今回の処分で(今度こそ)一段落です。

SNSの投稿数もPVも落ち着いてますし、

この記事も、奈良クラブ関係者以外はもう見てないと思います。

 

頃合いなので、一連の騒動で感じたことを書きます。 

(テレビ、新聞、Web、ブログ、SNSの関連記事は、ほぼ全部見ました)

ライターを名乗るなら 

自分で取材してる人はどこにもいません。

取材とは、電話とメールとファックスのことです。奈良に来いとは言いません。

 

僕が電話したら教えてもらえた程度のことを、

SNSで見た話と検索結果と憶測だけで書く人が多くて、

この人たちの肩書きにある「スポーツライター」って仕事は一体なんだろうと。

(情報発信する人が全くいないので、私が何本か記事を書きました)

 

事実関係の確認をせずに何か言えるなら、そんな仕事はすぐに消滅します。

おそらく、電話取材すらしてもらえない程度のニュース価値しかない、

奈良クラブ側の問題なのでしょう。きっと。

サッカー界特有の問題、中小企業の不正の問題

”売り上げ水増し””経費の水増し”と同様、よくある企業不正です。

不正・不祥事のない企業なんて存在しないし、

たまたま数値が公表されて、外から見られる業種だっただけです。

(サッカークラブといっても、従業員10人そこそこの中小企業ですよ)

 

零細企業は決算の公開なんかしないし、そもそも分からない。

大企業なら、不祥事を起こすと担当者が地方に飛ばされる。終わり。

外から見えないだけです。

 

社長が代わって前任者の不正を受け継いだ、というだけなのに

「Jリーグ特有の問題」として「過去の水増し事例」との1:1で話す。

趣味の世界と経営の世界を混同してるんじゃないか。それ。

数字のプレッシャーなんか、どの業界でも受けますって。

 

比較対象がずれてるし、そもそもJリーグの事例をJFLに適用するのは筋違いです。

(それすら知らないんでしょうか)

ルールを守る努力、意味のないルールを変える努力

「1試合2000人」で線を引いて、達成できなければ「今年は失敗」

目標設定がおかしいと思います。前経営陣は。

 

観客数を(実数ベースで)前年比180%にする必要があるとします。

これを絶対に1年で達成しないといけないか。

 

最終的にJリーグに昇格できればいいんだし、

いまの予算と人員なら年30%ずつ3年アップさせれば達成できる。

もし、終盤に優勝争いすれば、そこで頑張ろう。それでもいいでしょう。

 

「1試合2000人以上」が妥当かは、別の話です。

JFL内でも議論があるようです(文字起こし中にも出てきます)し、

集客数要件を撤廃するよう本気で動けば、規則が変わるかもしれません。

(ロビー活動とか根回しの話なので、そういう方面を調べてください)

 

「昇格すれば勝手にお客さんが増えて収入も増える」というのでは

すぐにうまくいかなくなります。

 

何らかの観客数のハードルは必要だと個人的には思います。

それを2500人にしても1700人にしても同じ問題は起こります。

数字を変える努力をするなら、地元周りや駅での告知を頑張る方が 

最終ゴールに近づくでしょう。

奈良クラブのゴールは? 

10年後にJ1でタイトル争いをする(チーム成績)

将来的に奈良を学びの都にする(地域活性化への貢献)

 

の2つだと聞きました。

 

奈良クラブのゴールはJ3昇格ではありません。

J1でバリバリやって、平均1万人以上動員させたいなら

「2000人くらい楽々達成してさっさと昇格しろよ」と思います。

 

全力でやっても最初の関門(1試合2000人)がクリアできないなら

「最初の関門」を最終ゴールにしないと仕方ないです。

長期戦覚悟で、20年後のJ3昇格を目指すとか。

 

「20年でJ3」だと、離れてしまうファンもたくさんいるので

そこはビジョン(という名の説明スキル)次第です。

 

昇格まで時間がかかるなら、昇格目当ての人はもう来ないかもしれません。

でも、現実を知っても一緒に頑張ってくれる人、まだ残ってますよ。

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