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「本の紹介」には編者の魂がこもってる:「週刊ブックレビュー」20周年記念ブックガイド(059)

ニッチな趣味すぎてあまり話してないのですが、「本の紹介をする本」が大好きです。

 

ゴールが「本を買わせる」と明確ですし、

おなかのへったお客さんに、その人に合わせた書籍を提示するという。

紹介する方の読書遍歴・人生遍歴が見え隠れしますので

「あの発言のバックボーンはこれか」などと色々類推できます。

 

 

最近、なかなかいい「推薦本の束」に出会ったので紹介します。

 

海上自衛隊幹部学校(海幹校リーディングリスト)

 

「海上自衛隊の幹部養成のために」編集された課題本一覧。

このような「対象読者が自分ではない」本の束を見たら、どうするか。対応は二つ。

 

「その中で知ってる本を買う」か、「その中で一番訳分からん本を買う」かだ。

 

「定価ができるだけ高い本を買う」 のもおすすめですよ。

 

中公新書がちょくちょく混じってるのもポイントですね。

さすがは国際政治関係の堅い本をロングセラーにしてるだけはある。あのレーベル。

「歴史」カテゴリに「応仁の乱」が入ってるのも要チェック。

  

ステラMOOK 週刊ブックレビュー 20周年記念 ブックガイド

ステラMOOK 週刊ブックレビュー 20周年記念 ブックガイド

 

「1時間の書評番組を毎週放送する」という

NHKにしか絶対やらない・できないことを21年間続けた番組の生きた記録。

 

中身はバラエティに富みます。

司会者の鼎談、年間の売上ベスト10や著者のインタビュー、特集一覧など。

特に興味深いのが、話題の作家に自著を語ってもらうコーナー

(おそらく放送内容を再構成したもの)

 

松本清張先生が最新刊(91.8刊)を語っていたり、

瀬戸内寂聴が「源氏物語」を、宮部みゆきが「模倣犯」を語っていたりと

このコーナーだけで書籍代の元が取れる。

(著者によるプロモーション用インタビューのアーカイブって、

 どっかにないでしょうか???)

 

(当たり前ですが)1991年って2017年の四半世紀前(26年前)ですから、

もう歴史上の出来事の一つになっています。

売ってる書籍の内容、著者、テーマもすっかり変わり、

同じ「本」といっても紙に印刷して本屋で売ってるというのが

唯一の共通点だったりします。

 

残念なのは、番組そのものが記念誌発刊の翌年に力尽きたこと。

「書評番組」というフォーマット自体に価値がなくなったのでしょうか。

いや、フォーマット自体には価値があっても、中に入れる本に価値がなくなったのか。

 

NHKなので予算的な問題はないだろうし、

土曜日の早朝枠なのでそもそも視聴率ともあまり関係のない存在だろうから、

純粋に「番組再編」だったんでしょうか。

 

書評本に「出版界の年表」が載ることはよくありますが、

この本のフォーマットで25年版、30周年版、40周年版がもし発刊されたなら、

出版事情アーカイブという価値がもっと高まっていたと思う。

 

 

竹岡広信・安河内哲也の この英語本がすごい!

竹岡広信・安河内哲也の この英語本がすごい!

 

この本は紹介してる本がコンセプト(英語学習者 初級~中級向け)から

少しずれてるので、勉強法の本というより書評本に近くなってる。

おそらく、選者の竹岡さんが教師向けの紹介を担当してるので

 半分の選書がかなりマニアックになってる。

英語語法大事典 1

英語語法大事典 1

 

 1万円の文法辞典を紹介する方もどうかしてるし、

買う俺のような教材マニアもどうかしてるぞ(4巻中2巻までそろえました!)。