・情報収集は「人」が軸
著者の情報収集術は「誰に聞けばいいか」「その人をどうやって探すか」が
基本になっています。ブログやSNSで情報発信する人が周囲にいると、そうなるのでしょう。
※「輪」の外にいると「どのWebサイトがいい」となります。
情報発信をする人の輪に入るには、自分も情報発信をするのはもちろん
相手に覚えてもらう努力が必要となります。
・「名刺」は必須アイテム
私も結構な枚数の名刺を頂戴するのですが、困るのが「だれの名刺なのか分からない」ということ。
相手の名刺を見て会話内容を思い出せないなら、自分も同じこと。
だれにも覚えられてないということになります。
せっかくお会いしたのに、もったいないですよね。
著者が実際に受け取った「すごい名刺」も紹介しています。
穴を開けたり写真を入れたり自分の紹介キーワードを書いたり。
プライベート用の名刺を持つ方はそれなりにいますが、
こういう工夫も大事なんですね。
・会社と距離をとりたい人向け?
雑に要約すると「朝の時間を利用して、実力をつけ、社外人脈を作ろう」というお話です。
仕事以外で色んな情報や刺激に触れるようになれば、
企画職などのホワイトカラーが新しい発想を生み出すアイデア源になるでしょう。
ただ、気になるのが、会社との距離感。
「自分のアンテナが社内だけに向いていないか」
「それは上司に評価されるだけではないか」
「社内の人脈は転職したら無価値にならないか」
という発想から「なので自己投資にも力を入れよう」と繋がってます。
出版された2010年は景気も悪く、会社(特に人事)への不信感が根強かった時代です。
社外での振る舞い方を指南する本にしても、
煽りすぎ、仕事をさぼる方向を見すぎなのが気になります。
・あくまで仕事外での成果の出し方です
著者は、勉強会・セミナー主催者から著者にステップアップされた方で、
企画を練る、マーケティングを図るのが得意な方です。
本書は朝9時前(=始業前の時間)という切り口で類書とうまく差別化してます。
全体構成(目次)は見事の一言ですので、もし本書を手に取ったら目次だけでも見てください。
・必要な人に必要な道具を渡したい
転職や独立する人は稀で、新入社員や転職したての方、中高年の方など、
社内で成果を出して初めて道が開ける人が実際にはほとんどだと思います。
おそらくそういう人は実用書を読まないのでしょう。
実用書の業界もサービス業なので、買う人に合わせて本を作ります。
この本を買った人のニーズは満たした、ただし一番必要な情報を提供したか?
本当に大事なのはいまここで頑張ることではないか?あるいは休むことではないか?
・・・と考え出すと、堂々巡りになりそうです。
(どの本もそうですが)必要な人が読めば役に立つし
必要のない人が手にとっても、情報が素通りして全く身につかないと思います。
少し古い本ですが、いい本ですので、
興味のある方は手にとってみてください。