
万博のクライマックス、ドローンショー。
夜の21時前から。ここまで残ると、帰りが混む&遅くなる。

大阪・関西万博の風景。
無事に到着し、無事に帰ることができました。
誰かと一緒に行く予定はなかったんですが、気が変わりました。
きっかけは7月末、シグネチャーパビリオン「いのちの未来」内のショートムービー。

お孫さんとおばあちゃんは大の仲良し。一緒に遊ぶ光景が続きます。
途中、ダンスが好きなお孫さんは足を怪我し、片足が義足に。
別のお話では、人工子宮のおかげで待望の子どもが出来た夫婦。
おばあちゃんに病気が見つかり(=心臓疾患)、容態が良くないことを知らされます。
お医者さんからは二つの選択肢が示されます。
自然死する
アンドロイドになって生き続ける付ける
おばあさんは、最初は「自然死」と決めていましたが、少しずつ変化が…
その時期、うちの母親は心臓を悪くして入院してました。ずっと前から悪いし、入院は短期間でしたが
「年を取ったら死ぬんだ」
「もうすぐいなくなるんだ」
当たり前のことを思い出しました。万博で。
お見舞いのとき、母と色々な話をしました。話すこともないので、旅行好きの母に旅行の話をしていました。中でも、大阪・関西万博の話が面白かったようです。
他地域の人には分からないでしょうが、関西の放送局は万博会場内にスタジオがあり、朝昼夕の情報番組で、パビリオンとその国を紹介するコーナーをやってます(おそらく全局)。何気なくテレビを見てる人も、万博の看板パビリオンはだいたい目にしています。
「関西は万博一色」とは言わないけれど、お天気コーナークラスの定番コンテンツになってます。

「いのちの未来」は、レビューサイトやSNSの感想は「ショートムービーが良かった」一色。最近/過去に肉親を亡くした人には響く内容です。
8月末、「一緒に万博に行こう」と誘いました。涼しくなってきた、母の体力が戻ってきた、というのが理由。せっかく大阪でやってるんだから一度は行こう、案内ならできる、と。
母は過去半年に2回入院しています。かなり渋りましたが、
現地の案内
自宅から会場(付近)への車での送迎
チケット購入・予約
食事・休憩場所の確保
介助(一応歩けるが、車いすも併用)
とできるだけのことはするから、と説得。

目標は「会場に行って帰ること」「元気に帰ってくること」の二つ。「何かのパビリオンに入ること」ができれば大成功です。遅い時間に予約取れたので、そこまで体力が持てば、大成功間違いなし。
夢洲は埋め立て地の一番先っぽなので、最寄りの病院まですごい時間がかかります。
もし連れて行って死なれると…心配はありましたが、こういうのは勢いでやらないと実行できない。移動中、入った直後、入って○時間後…と、どこで倒れたら何をすると細かくシュミレーションして(おおげさじゃなくて)、会場に向かいます。

母「せっかくなので父と一緒に行きたい」
私「絶対にやめてくれ」
だいたいのパビリオンは、予約・優先入場時の介助枠が1(車いす本人+介助者1人は入場可)で、3人で行くと、母と私(介助者)が入場して、父が1人余ります。ひとりだけずっと待ち時間。奇数人は動きづらい。
それに父親は、目を離すとどこかへ行く(途中から父だけ単独行動に)人間で、私が係員を探している間でもどこかへ消えていきます。ぜったいいなくなるやん。これは無理だ。介助枠とか関係がなしに。
あとで聞いたら、70年万博のときも、母が休んでいる間に父において行かれて、父一人でパビリオンを回っていたそうです。うちの父親は、こういうエピソードばかりです。
ということで、私と母の二人での万博へ。社会人になってから、母と二人で外出したのは初めてかもしれない。

自家用車→大阪市内(中央線沿い)→中央線で、無事到着。「無事に行く」まではクリア。
写真は大屋根リング上、西ゲート上から見る日差し。夕陽は見れませんでした。まだまだ暑い時期だったので、くもり空で助かりました。「過ごしやすくていいね」と母。

ナツメヤシを見事に再現 ※別日に撮影(5月上旬)
「パビリオンに入る」のが目的。通りかかって、入れそうなところに入る。いつ母が体調を崩すか、分からない。人がすごく多い。
最初に入れたのがアラブ首長国連邦館。きわめて普通のパビリオンで、ごく最近まで並ばずに入れました。来場者数20万人時代には大混雑です。
僕が最初に万博に行ったとき、予約が取れて喜んでいった場所です。砂漠の砂がなかったけどまあいいか、とさっと周り、昼休憩に向かったんだった。今思えば、ヨルダン館(当時は先着のみ)と間違えてた。
偶然ですが、思い入れのあるパビリオンにもう一度行けてよかった。「現地に行った気分になる」「工芸品も先端技術も展示している」「空気が柔らかい」と個人的に気に入ってます(これは本当)。
次にシンガポール館に入って、様子を聞くと「食事をしたい」ということで、夕食休憩。かなり歩いて、ゆっくり休める場所へ。

西ゲートの向こう側、くら寿司の裏にある団体休憩所です。何かのパビリオンが撤退した場所かもしれない。夕方からは一般に開放し、ビアガーデンみたいな使い方ができます。
ここで1時間弱の休憩。今日のミッションだと「十分過ぎるくらい休む」のが重要。テイクアウトの料理をいくつか購入し、頂きます。料理は高くてイマイチでしたが、母はとても喜んでくれた。

母子万博のきっかけとなったパビリオン、「いのちの未来」
「車いす枠って何だろう」と何となく車いす枠で抽選したら当たりました。母は(歩けますが)車いす、私は介助者です。

このパビリオンは、自分が回った(30〜40くらい)中で一番よかった。写真はアンドロイド・マツコ・デラックス。テレビによく出てくるやつ。
例のショートムービーを見て、自分が何を言ってたのか知られたらどうしようかと思いました。「お前はもうすぐ死ぬやろ」と言われて嬉しい人はいない。が、タイミング良く子どもが泣き出して、あまり映像に集中できませんでした。まあこういう回もあるだろう。
誰でもこれるイベントなんだから、子どもが泣かない方がおかしい。ただ、もう8時を回ってるんだし(遅いので)、もう帰った方がいいと思う。
よく見えなかった、聞こえなかった、抽選に全部外れた、並び疲れた、じいさんが割り込んできてリュックがぶつかったまで含めての万博。半分以上は苦行です。なんでみんなは我慢してるんだろう。

母の調子がよさそう(いのちの未来を1時間見た後なのに)だったので、最後のドローンショーまでいることに。14時半入場なので、滞在時間6時間コースだ。
上の写真は、万博会場で気に入ってる場所。大屋根リング(上層)で、アメリカ館・フランス館・ミャクミャクハウスが見えて、小さな芝生広場があります。レジャーシート推奨、気候がいい日にお弁当を食べたい。

僕には何度目かのドローンショー。母には最初で最後。今日のドローンショーを楽しめたのは、母の方。初めての人がうらやましい。QRコードで笑ってる人は、初めての人です。
母からは
「いままでどんなパビリオンに入ったの?」
「どこが面白かった?」
と何回か聞かれました。事前に予習してた(ぴあのムック本を渡した)のと、気遣って話題を振ってくれたのと、両方でしょう。
「今日が一番楽しかった」
「どこも万博らしくて気に入ってる」
と答えました。万博で不思議なのは、何度来ても「今日が一番楽しかった」と思えるところ。予約、天気、混雑、色々考えても、いつも「今日が最高」。理由が分からない。もちろん初回も最高でしたよ。

今回の万博は、大屋根リングが主役(あとはミャクミャクも)。水のショーが終わった後、閉める直前のウォータープラザ前。ここもお気に入り。13時過ぎ、この辺でセブンのサンドイッチを食べるのが恒例でした。何度も来てるのに、食事の2/3がセブンのサンドイッチ。
さて母との二人万博。「パビリオンに入る」「元気に行く」まではクリア、あとは「帰る」だけ。会場内で迷ったり、タクシーが来なかったりと色々ありましたが、23時過ぎに無事に帰宅しました。長時間お疲れ様でした。
万博に行った後も、母の体調はよく、大変喜んでくれました。まさか行けるとは思わなかった、と。
母は自力で動けますが、連続20分の歩行も1日8時間の外出も無理です。普通の60代はそうです。歩けるときは歩いて、休むときに車いすを使う。人通りの多い、危険な箇所は歩いてもらいました。移動する椅子です、車いすは。
今回、準備も当日もかなり時間を使いました。チケットの割引制度、優先入場、バリアフリー化、予約の車いす枠が存在する理由も、行ったらすぐ分かりました。いくら優待して、そこまでしても、相当の覚悟がないと車いすでは来れない。
優待がなくて、○○館に1時間並べと言われたら絶対に来ない。マイナス100をマイナス30にするのが、障害者向けの優待です。優待だけ見るとずるしてるように見えるだろう(今回は、歩ける人を車いすにのせたので特に)。
一度、車いすを押して20万人の中を歩いてほしい。それか、車いすに乗って、車いすの視線で、どう見えるか経験して欲しい。目の高さにカバンがあって人が割り込んでくるのが怖すぎる。

最後に、運営側に嫌みを。
1.大屋根リングで、下層から上層(スロープ)に上がるところに、大きい段差があります。掲示をするか係員を立たせてほしい。別の場所で2回やられた。乗ってる人が痛いし、後ろの人とぶつかって怪我をする。今の混雑だと、将棋倒しになります。
2.「車いすの貸し出しをやっている」という情報は、「受付から引き渡しまで30分以上かかる」「予定数が1時間前後で終了になる」というのもセットで発信してほしい。現地へ行って車いすがない、貸し出し待ちで予約を逃した、は致命傷になる。
3.こういうのも、SNSで検索しないと何も分からない
これくらい最初の2〜3週で分からないかなあ。融通が利かない。毎回思うが、本当に準備してたのか、この万博。
(参考)