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いよいよ万博最終日:2025年大阪・関西万博の個人的なまとめ(244)

次はいよいよ夢洲です

あさって(25.10.13)は大阪・関西万博の最終日。閉幕が近いのでまとめ記事をお送りします。最終日の入場&パビリオンの予約済みです。

 

本物の力

「本物はすごい」「すごさは伝わる」それが分かっただけで、万博に来た価値があった。

今回の万博を総括するなら、イタリア・バチカン館は上位に入ってくるでしょう。国宝級の美術品を日本に持ってきた。美術展としても一級です。初回訪問時(5月中旬)でも、ここは来館者の本気度が違った。

ハンガリー、民族音楽のライブ。演出も素晴らしい。知らない曲で意味も分からないが、生歌の魅力は違う。

ヨルダンのコンテンツは砂漠の砂だけ。靴・靴下を脱いで、砂を踏みしめよう。それだけ。さらさらで気持ちよかった(注:他に展示もあるしレストランが評判です)。当初は先着順だったが、常時行列になって、当日予約のみになった。

 

美しい光景

万博のいいところは、360度、現実感のない風景が広がっていて、シャッターを押すだけで最高の写真が撮れること。それに会場全体が撮影に寛容なところ。

初回訪問時、イタリア館を出て、屋上庭園から見たドローンショー。当初は「一生の思い出になる」「万博のクライマックス」になる予定だった(その後、何度も来ることに)

会場に入って、リングを見れたらそれだけで満足できる。春先の1枚、「さあ万博を楽しむぞ」な時間帯です。

夢洲内だけで2700枚くらい写真を撮ってました。アベレージ300枚以上。ずっと楽しかった。

会場内で撮影した写真(この写真ではない)が、ネットの小さな写真コンクールで入選しました。腕はともかく被写体が一流。

時間帯によって、リングの表情が全然違う。今回の万博のメインコンテンツは大屋根リングです。

ドローンショーが終わったあと。最終日に狙うならこのカットだ。

次に夕陽。大阪湾は、夕陽がきれいに見れます。明石海峡大橋に沈んでいきました。日没までの1時間リングの上にいて、風が強く、とても寒かった。

5月、初回訪問時。最初の1回はすべてに恵まれてた。

9月、母親と行った時。ずっと曇っていたので、これでも”夕陽が見えた”と喜んでくれた。

 

楽しい

並べば100%ミャクミャクと会えるパビリオン。ファンの本気度がすごい。着ぐるみとのグリーティングに貴重な○時間を使うのかよ(普通のキャラは、定時にあっちから出てくる)とやってない人には見えますが、満足度が非常に高い。

 

最終日のミャクミャクハウスはどんな雰囲気なんだろう。来てる人が全員リピーターで、みんな泣いてる気がする。お別れは言いたくないなあ。

世界の料理が楽しめる、俺たちのくら寿司。「くら寿司」の予約がどれだけ取りにくいか知らないと、値打ちが分からない(毎日24時のアプリ先着予約です。かなりの難関)。

 

知らない料理を順に注文。何の料理かよく分からなかったけど、楽しかった。飲食とお土産で8000円くらい使った(1人客)。

大阪ヘルスケアは未来の技術の展示室。写真は人間洗濯機。名前がアレですが、介護用の入浴キット。実用品です。「未来の冷蔵庫」も近未来感があってお勧め。

序盤は記念ICOCAの入手。西ゲート朝9時でないと入手が不可能なので、当初から難易度が高かった。一番大事な30分を記念ICOCAに使ってなければ、もっと色々回れた。時間のコストは相当払ったと思う。

記念ICOCAがなければ万博に来てないだろうし、最高の条件(西ゲート9時+8時台桜島バス)で一回目を迎えなかったら、ここまで楽しめなかった。きっかけは些細なことです。

中盤以降はドイツ館のサーキュラーちゃん。万博のキャラクター人気投票No.1。外見はかわいいですが、大変理屈っぽく早口で環境保護を訴えるので、一緒に暮らすとめんどくさい子です。

 

好きな風景

夜の東西ゲートがとても映える。特に西ゲートと万国旗のショット。

万博会場から西九条まで、自転車で帰ったとき。ふと振り返ると万博会場の大屋根リング。でっかい空き地に会場だけ突然浮かんでる。謎の未来都市。

 

真夏で大変暑かった。途中で電動自転車のバッテリーが切れたし。しんどいのは分かってたが、やっておいてよかった。

7月までのランチスポット。ウォータープラザ前、英国館の前です。セブンで買ったサンドイッチを食べて次の行き先を考えるのが定番でした。万博で一番食べたのは、セブンイレブンのおにぎり(梅)とたまごサンドです。

万博は14時〜16時がラッシュアワー。今年の夏が暑かったのもあり、「13時過ぎから昼休憩」「夕方から活動再開」が定番になりました。こっちは8時前から並んでます。そうでもしないと21時台まで持たない。

 

夢洲から2駅、ATCのフードコート。広くて涼しくてリラックスできる。仕事で使ったことがある(ATCで会社が展示会をやってる)ので思い出しました。地元の人間は、土地勘がある分強い。

 

(あんまり言ってないですが)現地で体調を崩したことが何度かあったんで、こういう保険が必要でした。「予約優先」というのは、予約のためなら他のすべてを犠牲にしろという意味です。どれだけ無理しても、時間通りに動かないといけない場面が出てきます。

 

万博はやる気順

万博はコンテンツに追加料金を取れないので、ファストパスとかありません。「予約」がすべてです。仕様変更も頻繁にあります。情報収集も大変。いまどき「金で解決できない」テーマパークで、時間をかけた人が勝ちます。通期パスさえ買ってしまえば、時間を費やすには最高のコンテンツでした。

最初は7時30分桜島駅→8時バス→8時20分待機列でよかった。最後の1ヶ月は、中央線の始発に乗って、コスモスクエアからタクシー同乗。乗り場で3人集めて相乗り、車内で割り勘するスキルが身についた。

 

予約2回(2ヶ月前、7日前)に、夜24時(空き枠予約)も頑張って、当日は8時前から並んで9時10分までに入場。これを来場回数分繰り返す。万博に全力を出せる人以外はついて行けない世界だった。回ったパビリオン自慢をしてる人は、こういう生活です。一般人の努力の限界を超えてる。

 

何をやるか、何をやらないか

抽選でも先着でも、何を選んで何を諦めるか、判断を迫られます。

 

例えば、パビリオンの6時間待ち。イタリア館が6時間待ちでも「それくらいなら並んでいいか」と思わせる力がある。人気がある、名前を聞いたことのあるパビリオンは確かに面白い。ガンダムは並べないけど、もし6時間並んで入れるならみんな並ぶ。じゃあ、○○館に6時間並びますか?

 

1日の営業時間は13時間だから、もし6時間並ぶなら2つが限度。さあどうする。こんな感じ。一つを選ぶ度に、他の選択肢が消えていく。

アメリカ館は、気合いと根性があって3時間並べば必ず入れます。夏場は炎天下で並ばされたので、日傘がないと死ぬ。

 

今回、行きたいパビリオンがいくつかあったんですが、いくつかは当選し、ほとんどは外れ続けました。多くを諦め、「絶対行きたいパビリオン」に残ったのは、9月末の時点で2つ。結局行けなかった。来る回数が足りなかった。

 

ライブが見たい

来場予約してた日にHYDE(L'Arc-en-Cielのボーカル)がありました。事前抽選に外れ、当日抽選で当選。初の万博ライブです。

 

抽選は、列に30分(抽選開始から並ぶ)~3時間(開場すぐから並ぶ)並んで、箱の中のピンポン球を引きます。ピンクなら当選。当選確率は分かりません。予定数が出たら時点で、抽選会は終了。僕は待つのがダメな人間なので、万博のノリ(1時間並ぶ、抽選はデフォルト)でなければやってなかったと思います。

今回はグッズがかわいい。マイクを持って、えいやっ(高い台からジャンプする、HYDEのパフォーマンス)するミャクミャク。抽選に並ぶかはともかく、物販には行く予定でした。

本当に欲しいものがあれば、手に入れるための行動をしないといけない。決断が必要。手に入ると信じて、成功に繋がる最善の判断を繰り返す。絶対に諦めない。

 

…こう書くと成功法則っぽく見えますが、当たりを引いたのは偶然です。

 

たしかに「列に並ぶ」「抽選する」という判断はしたし、別の用事を諦めました(ドイツ館物販に並んでたが、動かないので途中で撤退。サーキュラーちゃんぬいぐるみを買う予定だった)。ライブ列に並んだからライブが見れた、ライブ列に並んだ俺はすごい。そりゃそうなんですが、当たったから言えること。外れてたら「やっぱり外れたか」で終わり。

HONEYを初めて生で聞くのが、万博のライブ会場。万博の「非日常感」がHYDEで何倍にも膨らんで、ずっとふわふわしてました。なんて素敵な和歌山なんでしょう。

動画撮影OK、SNS投稿OKなのはすばらしい。

 

自分の価値観は何か

何度目かの訪問。ガンダムの予約が取れて、すごく楽しみにしてました。ガンダムは100%エンターテイメントに振り切ってて(宇宙ゴミの除去というテーマは一応ある)、みんなが楽しめるコンテンツです。とても楽しかったです。もう一度書きますが、とても楽しかったです。

ガンダムまでに時間があったので、朝イチに先着で入ったのが赤十字(国際赤十字・赤新月運動館)。万博屈指の人気パビリオンです。

 

東日本大震災での石巻赤十字病院が紹介され、当時の旗が展示されてました。「患者を全員受け入れること」をモットーに旗を掲げ、24時間体制で治療を続けました。赤十字旗は「いつ何時もうちは患者を受け入れます」の象徴。写真は現物で、ボロボロになっています。

 

患者を全員受け入れることはやっちゃいけないと個人的には思う(患者遺族の納得感の問題)けど、現場で戦うのはきれい事じゃないし、その判断は尊い。

ガンダム後に立ち寄った(やっと予約が取れた)のは「いのちの未来」。何度か紹介していますが、アンドロイドをテーマにしたパビリオンです。

 

ショートムービーに出てくるのは「人間はいつか死ぬ」「ロボットになって老人が生き続ける」という話で、「ロボットすごいぜ」的なノリとはかなり違ってました。両親や周囲の人も老いるし死ぬ。

 

あとでレビューサイトやSNSを調べると、いのちの未来で大泣きして一日何もできなかった人や、このパビリオンを万博の中でNo.1に上げている人がたくさんいました。企画側の意図(ロボット本体)とは違うところ(ショートムービー)で反響があった気がしますが、評価するのは見る側です。

万博に来た日は夕方まで、または(昼休憩を入れて)夜のショーまでというのが多いのですが、この日は「いのちの未来」を見た時点で帰りました。せっかくの印象を薄めたくなかったからです。万博なんか来てないで、もっと真面目に生きよう。

 

万博のコンテンツは、方向性も対象年齢もバラバラなので、当たり外れが激しい。自分が欲しいもの、必要な物に不意に出会い、人生観が変わることもあります。そうじゃない、とても残念な時間もあります。酷評されてるパビリオンにもいくつも行ってますが、☆1つをつけられるのはちゃんと理由があります。たしかに面白くなかった。

 

今の自分がほしいのは「純粋な娯楽・楽しさ」ではない。展示を見て何か感じ、その場にずっと立ち止まったり、何週間何ヶ月か自分で考え続けるようなものだと気づきました。親を連れてきたいと思ったのもこのときです。

 

ガンダムをけなすつもりはありません。たまたまそういう順番だった、そういう気分だった。ガンダムと、エンターテイメント系コンテンツを続けて見てたら、「今日の万博も楽しかった」と笑顔で帰宅してました。

 

半年間の振り返り

2025年大阪・関西万博の半年間、いかがだったでしょうか。

 

毎日行った、毎週行った、何回か行った、一回くらい行けたら行くわ、知らない間に終わってた、人によって接し方は様々だったでしょう。どんな形であっても、みなさんの中に思い出がひとつでもでき、次の万博まで語りついでもらえたら、万博ファンとしては幸せです。

 

かなり癖のあるイベントで、深夜0時の予約(空き枠予約)、朝7時から21時までの長時間行動、不安定なサーバー、絶え間ない情報収集など、相当の時間を使わないととても回れません。準備が大変で、負担が大きかった。でも行けば何とかなる、不思議なイベントでした。

今回の万博は本質は2つ。1つ目は「支払定額のガチャ」いかに人気パビリオンの予約を取るか。なんでもお金でショートカットできる時代だからこそ、頑張った順、ガッツ順で決まるのが逆に新鮮だった。2つ目は「スタンプラリー」。全コンテンツが会場内に揃っているから、全部回りたくなる。物理的なスタンプ(ハンコにインクをつけてスタンプ帳に押す)が大人気になりました。大阪市内・園外のスタンプにも行列が出来てて、これは本当に21世紀なのかと目を疑いました。

 

何度も行くうちに「1970年大阪万博も同じような感じだったんだろう」と思うことが増えました。来場者はほとんど大阪人、独自の情報網が生命線、始発か徹夜、時間と回数が解決してくれる、などなど。1970年に熱狂した人も、最初は何となく来て、何度か行くうちに全パビリオン制覇をしたくなって、最後に無理して長時間並んだと思います。

 

今回のガチ勢はみんな無理をしてました。外には楽しい出来事だけを発信してますが、開場前から毎回1時間半並ぶのも、レストランに2時間並んで、外の倍の値段の料理を注文するのも、しんどかったと思います。本気でやらないと得られないものは、確かに存在しました。50年後、次の万博のときに2025年大阪・関西万博の資料映像が流れたら、未来の日本人はどう思うんでしょうか。

 

偉そうに書いてますが、僕は訪問回数一桁の非通期パス勢です。自分の性格だと、毎日万博に行って仕事をしなくなるだろうから、毎回定価でチケットを買ってました。通期パスなら20~30回行ってただろうから、少しは歯止めになったと思う。

 

最終日に何をやるか

2025年10月13日。大阪・関西万博最終日が、僕の最後の予約です。残り1日で何をやるか。そもそも9時入場じゃないので、ほぼ何もできないでしょう。まともに動けるのは1回。ライバルは24万人います。

 

ドイツ館(サーキュラーちゃんぬいぐるみ購入)、ミャクミャクくじ、オーストリア館(HYDEの被った帽子を見る)、日中の水のショー、eMOVER自動運転…やりたいことが中途半端に(全部こなすのが絶対無理な量だけ)残っています。どうしてもやりたいことはないか?よーく考えたら、二つ浮かびました。

アラブ首長国連邦館(以下UAE)。絶対行きます。初回訪問時に行ったパビリオンです。ナツメヤシには癒やされるし、夏場は涼しくクーラー代わり。なにより、UAEは、万博がどれほど混雑しようが必ず入れるので有名です。母親と一緒に来た、ものすごく混んでた時期(来場者数20万人台)でも、さっと入れた。

 

(25.10.15追記)

travel.watch.impress.co.jp

UAE館の日来訪者数は493万人、万博の来場者数(関係者除く)が2557万人。来場者の約5人に1人が来場。万博の顔です。

 

UAEは来場者数が400万人を突破してます(25.9.24発表。来館者の7~8人は私です)。万博の総来場者数(2400万人強)の約5人に1人が来館したことになります。まさに万博の看板、お化けコンテンツです。

今回の大阪万博は「並ばない万博」という建前でした。実際は、予約できません、もう並べません、お目当てのパビリオンはどこも入れません。万博の会場内では、諦めて何もせずただ座ってるだけの人を、春先から会期末までたくさん見ました。

 

大事なのは「パビリオンに入れるか、入れないか」です。そこが面白いか、人気があるかは、もっと先の話です。もしUAEやコモンズがなければ、本当にパビリオンを一つも見れず家に帰ります。「すごい人だった」という感想です。楽しいですか、そんな万博。

 

70年大阪万博の状況(徹夜して館内で8時間並べば、100%アメリカ館に入れる)もかなりの負担でしょうが、予約がとれなくて並ばせてすらえない、2025年万博。どっちがお客さんに優しかったんでしょう。イタリア館が人気が出た理由の一つは、6時間並べば必ず入れたからです。

夢洲駅名物、阿部寛の広告(象印)。

 

「共通の話題」になるのは、誰もが見たものだけ。モンハンもサウジアラビアのレストランも、誰も経験してない。でも阿部寛の広告は全員が見ている。何十年後も記憶に残る、共通の話題になるのは阿部寛です。

 

万博はマスです。お客さんを大量にさばけるコンテンツはとても大事。いくらいいコンテンツでも、入って、見てもらわないと意味がない。町のおいしいパン屋さんがどれだけ人気になっても、全員のお腹は満たせません。ヤマザキの食パンは、世の中に必要です。

 

遠方から初めて来た人が、予約なし。入ったパビリオンがUAEただ1つだけでも、「なんかのパビリオンに入ったよ、楽しかった」これで、100点満点です。UAEは目玉がないのが痛い(初回はラクダの映像を見てた)んですが、「つまんなかった」という人はいません。十分楽しいもん。

 

(25.10.17追加)

先ほどのUAEのツイートには、「万博で唯一入れたパビリオンだ」「万博の空気を吸えた」というコメントが複数ついています。やっぱりそうですよね。繰り返しますが、パビリオンは「全員が」「どこかに入れる」ことが大事です。内容はその次です。

 

やりたいことのもう一つは、花火。

万博最強のコンテンツといえば、花火とブルーインパルス。人を熱狂させる何かがあります。

 

写真は大屋根リングの向こうから上がる、万博の花火です。アオ1回目の開始前。みなさん感覚が麻痺してますが、大屋根リングライトアップ単体でも、花火単体でも金が取れるレベルです。万博でしか見れないでしょ、この風景。

2回目。HYDEのライブ中に。ライブを中断して、HYDEと一緒に見る花火、これぞプライスレス

3回目。大屋根リングの上から。天気は最高、構図は狙い通り。僕の万博最高の1枚だから、もしかして生涯最高の1枚じゃないかな。

 

最終日(25.10.13)は規模の大きい花火大会です(上の3つは通常の規模)。いい場所を押さえました(アオのショー1回目を予約)。最後に最高の花火を見よう。

 

最終日の様子(25.10.14追加)

www.youtube.com

期待以上の迫力でした。この席を選んでよかった。

野良ミャクミャクとハイタッチ

閉館後のアラブ首長国連邦館。最終日もいつも通り、予約なしですぐに入れた。 

www.youtube.com

 

楽しい半年間でした。またどこかの万博で。

 

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参考

www.suica.info