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4連休中京都の人気ホテルがシングル4000円で空室だらけ:GO TOと旅行業界あれこれ(190)

 

連休も誰も旅行していない

名前は出しませんが、四条烏丸の観光寄り中堅ホテル。

旅行サイトで検索したら複数軒見つかります。

 

週末は空室がないので、じゃらんや楽天トラベルではまず見かけません。

料金はだいたい1.2万円〜だけど、値段を見たことがない。

 

梅雨とか2月とかの日曜日に泊まると5000円くらい。

たいてい「あと3室」とか書いてます。オフシーズンにも人気のところ。

 

ホテル缶詰が趣味(自己紹介)

一度書いた記憶がありますが、

近隣のビジネスホテルに泊まって仕事だけをする…というのが趣味です。

 

シーズンオフの日曜素泊まりならだいたい5000円+税。

普段は自宅で仕事してますし、丸1日、環境を変えて仕事できるので

「ホテルで缶詰ってコスパ高いよな〜」と常々思ってました。

(共感を得られそうにないので、あまり話しません)

 

2泊3400円で連泊

2020年7月15日・16日大阪の心斎橋駅徒歩3分、大手系列のホテル。

2泊朝食付3400円だったので連泊してきました。

1泊でなくて2泊、素泊まりではなくて朝食付です。念のため。

 

 

このホテル、普段の値段は平日なら1泊9000円くらい。

土曜日は1.2万円〜だけど、満室なので値段がよく分からないというやつです。

 

泊まった日のコロナ

新型コロナ:大阪府、16日の新規感染66人 2日続けて60人台 :日本経済新聞

 

大阪府の新型コロナウイルス新規感染者数は

7月15日(61名)、16日(66名)と2日連続で60人超。

5月21日の緊急事態宣言解除後、最多となりました。

 

インバウンドは99.9%減ですし、

 大阪有数の歓楽街(宗右衛門町)からタクシーで5分のホテル。

Go TOが来週からスタート(後述)するので実質割高になる…などなど

「なぜお客さんがいないのか」は誰でも分かります。 

 

ホテル相場について

なんば・心斎橋エリアは道頓堀・心斎橋筋のすぐそば。

関西空港から入国したお客さんが最初に泊まる場所だったので

インバウンド客99.9%減の影響を一番受けている場所だと思います。

 

ホテル相場は(なんば・心斎橋エリアに限らず)

3月以降底値のまま動かないです。最初は土曜日だけ少し高かったですが、

いまは一週間ずっと「底値」のまま。

 

「底値」というのは、オフシーズンの投げ売りの相場です。

普通のビジネスホテルなら4000円、そこそこのクラスだと7000円くらい。

空室が埋まれば固定費が多少回収できる、ただし採算は取れてない

という状態だと思います。

 

最近、なんばや新大阪でも「14連泊プラン」「30連泊プラン」と

田舎の工事関係者用ホテルでよく見かける単語が出てきました。

 

ネットカフェやドミトリーに泊まるよりビジネスホテルに泊まる方が

安いです。これからしばらくは。

 

旅行業界の現状

僕は近畿のビジネスホテル(のシングルの需給)しか分かりませんが、

JR東日本編の特急利用状況や、ANAの搭乗率を見れば

旅行業界がどんな状況か分かると思います。

 

人間が動かなければ「お金を使う」「お金を落とす」以前なので

嵐山や通天閣や宮島で飲食店や観光サービスをに担ってる人が

どういう状態なのか、分かるでしょう。

 

7月の4連休から、いよいよ夏の行楽シーズンがスタート。

 

ゴールデンウィークが存在しなかった分、

たくさんのお客さんを迎えて、楽しい旅のお手伝いを。

観光地もホテルも鉄道バス飛行機会社も、待ちわびていました。

 

それを後押しするのが、

国家を挙げた一大観光キャンペーン”GO TOトラベル”…のはずでした。

 

GO TOトラベルについて

元々「現金値引きと商品券」というのもダサい制度で

批判に対応するためバッチをあてたので、

分かりにくい・使いにくい制度になりました。

 

4月の登場時から批判してましたし、擁護というか言及したくないのですが、

バッシングしてる人だらけであまりに不憫なので、いくつか補足しておきます。

・キャンペーン開始時を繰り上げたのと東京の感染拡大が重なった。

もし8月上旬に中身を固めてからスタートしていれば、

ここまで風当たりは強くなかった

 

・電通の中抜き丸投げ・委託先再募集があったので、

開始前から注目を集めてしまった

 

・緊急事態宣言中に「終息後のキャンペーン」を予算計上したので、

それなりに批判があったが、

「お肉券」「お魚券」が風よけになったのであっさり採用された  

あと、一番大きいと思ってるのを

特定業界への補助金案件第一号で、批判の的になった

GO TOシリーズで予算1.7兆円です。

第一次補正の目玉事業であり、かなりの事業規模です。

ちなみに黒四ダムが0.5億、瀬戸大橋が1.1兆、青函トンネルが0.9兆円。

(いずれも当時)

 

意味のないダム建設をやめろ!という線で、大型公共事業をやめろ!と

言われてるんだと、個人的には捉えてます。

 

感染拡大との関係

本筋からそれるので、意見・批判は私のTwitterアカウントかメールアドレス宛に送ってください(どこかに書いてます)。

 

・「移動したから感染拡大」ではない

・自宅周辺、オフィス周辺、観光地周辺を問わず、接触を減らして感染しそうな行動を

 避けるのが大事。身の回りで気をつける、場所が変わるだけ

・旅行者、観光業界とも、対策はすでに取っている。

 ホテルのエレベーター操作部とか、会社のドアの数十倍消毒してる

 

・東京から岩手に旅行してる間だけマスクを外す人は、

 そもそも考慮する必要があるんだろうか

・旅行中のハイリスク行動は、日常生活のハイリスク行動と対比するべき。

 旅行中にスナックをハシゴする人は、日常生活でも同じ事をしているのではないか

政府から観光業界への力強いメッセージ

これからは観光立国だ、オリンピックと万博でインバウンド3倍だと言ってて

コロナが万円したらANAでも観光バスでも旅館でも見殺しにする方が

監督官庁や業界団体や族議員として狂ってると思います。

 

関係者が業界を保護しようとするのと、その予算法案が通るのは別の話です。

国も必要性を認めて、予算を通してます。

 

効果の悪いキャンペーンだしあまり好きではないですが、

日本が観光業界を考えている、

適当な対策をして、安全に、新しいスタイルの観光も楽しもう。

そういうメッセージを発するのが目的だったのかもしれません。

 

今となっては「東京は汚染されている」「もう旅行はやめよう」と

マイナスの効果しか生まなかったのは、非常に残念です。

 

経営者ならどう考えるか

いまは観光業態全体が弱ってて、売り上げがないと事業を維持できない状態です。

 

旅行業界が本当にGO TOトラベルを望んでいたかは分かりません。

ただ、賛成反対にかかわらず「使えるものは使おう」と割り切っていた会社が

大多数だと思います。

 

 

したくない借金をする、補助金が嫌いだけど補助金をもらうという場面は

経営者ならいずれ遭遇します(注:私も社長です)。

 

立案から実行までの手際は悪かったですが、

旅行業界は「どちらかといえば被害者」「という面もある」のは

覚えておいてください。

 

GO TOを決めた人とGO TOでサービスを提供する人は別ですので、

観光地や空港やホテルに行って「恩恵はありましたか」と聞くのはやめてください。

 

最後に

もう一度書きますが、GO TOトラベルに関しては全然応援してません。

東京除外とか団体客が再度対象になった経緯を含めて

一度中止して設計し直した方がいいと思います。

 

ただし、冒頭に書いたように、今は時間がありません。

 

数ヶ月後にはアパホテルと大江戸温泉物語だけが残って

バスもタクシーも(こっちもひどいです)消え、

観光ボランティアも第三セクターの観光施設も(略)

 

気がついたとき、消えてますよ。あそこの観光地。

それか日本語から「観光地」という概念が消えているかも知れません。

 

何年後か分かりませんが、コロナが落ち着くことがあったら、

その時はもう、観光なんてしないんでしょうか。

知らない街でいろいろな体験をして美味しいものを食べて。

 

もうやらないんでしょうか。観光なんて。 

 

反応はあまり欲しくないのですが、Twitter宛に送ってください。

 

https://twitter.com/suica_chibisuke