「進め!電波少年」のヒッチハイク企画で大人気になり
早20数年。30歳をすぎてこの本を読んでしまった。
一体どうしたいんだ。
1巻(香港・マカオ編)が最高傑作です。
後半は、旅から執筆まで相当の時間が経ってることもあり
哲学的で内省的な記載が増えます。
実際、旅行中も内省的だったんだろうけど、20代にしてはおっさんくさい。
2巻以降は、香港の市場とつい比べてしまい物足りないな
→だんだん旅慣れ、旅擦れし、バックパッカーらしくなっていく
→最初の「熱」がなくなって、ケチで無感動に
→他のバックパッカー、日本人を避け出す
と。放浪の旅も長くなると
「実生活」「旅行」から切り離された存在になるので
そのまま戻ってこない人もいるでしょう。
印象的だったのが、
「旅行者の相手をするのは老人と子どもだけ」
「ただ町をブラブラして通り過ぎるだけで、その国のことはなにも分かっていない」
というセリフ。
私も業務上、数回しかやったことのない国で
「ロシア(あくまで例えですよ)は○○なので××しましょう」のような説明を
しますが、本当に分かってるのかというと?
「私は○○を知り尽くしてる」という人の方が危険なのかも知れません。
私の世代だと「バックパッカーのバイブル 」でしたが、
バックパッカーに対して否定的なことが相当多い。
典型的なバックパッカーから批判されると結構辛いと思うけど
読んでなおかつ「行こう」と思うなら、旅人になる適性があるんでしょう。
第一巻刊行が1986年(32年前)、沢木耕太郎さんは現在70歳。
昭和末期のお話。遠い昔になりました。