運動すると頭が良くなる、学生も荒れなくなる、精神疾患も治る、
老化も止めるなどなど、「万病に効く薬」としての運動を説いた本です。
読みどころはなんといっても第1章。
授業開始前(0時間目)に「毎朝」「体育」を導入したら生徒の成績が上がった
という学校の話が出てきます。
きっかけ
かつてサッカー、バスケなどの普通の体育をやっていて、
長距離走をやらしたとき、サボってるように見える子(運動が苦手な人)が
実は大変な高強度で運動していたこと(強度は心拍計で計りました)。
「通常の体育」を、毎日有酸素運動を各自のペースでやる「体育」に切り替えたところ
学力が上がる、生徒の自己肯定感が上がる、学校が荒れなくなるなど
劇的な成果がでました。
メカニズム
その流れで第2章の「学習」が解説されてますが、
高強度(最大心拍の80〜90%)の有酸素運動をしたあとに勉強をすると
勉強の効率が飛躍的にあがる、と。
脳細胞の生成が増えてシナプスが…などと
説明されてますが、そこを正確に理解する本ではないので割愛。
(生まれた脳細胞が消える前に、記憶回路として定着するので
学習内容の定着に繋がるという話です)
運動の啓発本ですね
運動が健康にいい、という話ならうんざりするほど聞いてますが
「運動すると頭が良くなる」と言われると話は別です。
成績があがるなら、仕事がうまくいくなら、鬱が治るならと
現世利益をこれだけ見せつけられると、少しは運動しようという気になります。
自己啓発ならぬ運動啓発本として大変優秀な一冊です。
気になるトレーニング内容
「やればやるほど効果がある」というのが本音だそうで、
「毎日」「有酸素運動を45〜60分」「集2〜3回はインターバルトレ」で
理想のトレーニング量を紹介してます。
ハードルは高いですが安心して。
やらないよりは(出来る範囲で)やる方がいいし、
過去に運動をしていた人なら、そうでない人より効果が出やすい。
昔、部活をしていた人など、この本に興味を持ちそうな人なら
普通の人より効果が出やすいようです。
脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
- 作者: ジョン J.レイティ,エリックヘイガーマン,John J. Ratey,Eric Hagerman,野中香方子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2009/03/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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出版当時に話題になってましたし、
スポーツ・トレーニング関係のトピックでは参考文献に入っている率が高いので、
知ってる人は多いと思います。
前書きからして正確な脳科学的説明ばかりで、決して読みやすい本ではないですが、
読む値打ちは十分にあると思います。
読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー [セラピーシリーズ] (ムックセレクト)
- 作者: アレン・カー,阪本章子
- 出版社/メーカー: ロングセラーズ
- 発売日: 1996/05/01
- メディア: 新書
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角度を変えて同じトピックを理詰めで説明して、
「読者がやりたいけど出来てない方向」に向けて説き伏せていく。
昔はやった「禁煙セラピー」に感じがしています。