1)
勤務時代に扱うのは、関連出願の資料がそろってることが多く、
一から出願書類を書き起こすことは少ない。
過去案件の分析とやりとり履歴の読解があれば、比較的スムーズに仕事が進む。
独立後は、顧客の技術分野の一つを任されるところからスタートする。
出願書類は「書き起こしが多い」というより「一からの書き起こし」しかない。
2)
勤務時代は、努力値を業務処理能力に前振りできる。
じっくり仕事の処理スピード、品質を鍛えるには最適。
外部との接点が少ないので、だらだら仕事をする癖がつく場合もある
独立後は、本業の業務処理に使える時間が半減するので
短期間で手際よく仕事を処理する習慣は身につく。
仕事の勉強はつまみ食いが中心になるので、判例や法改正などを
「通して」「体系的に」勉強するのは難易度が高い。
日中はごちゃごちゃするので、落ち着いて仕事できるのは時間外が中心。
3)
経理とか営業方法とか値付けとかの業務関連分野の勉強は
「独立してみないとわからない」部分が多い。
もし先に独立した方が知り合いにいれば、横のつながりでなんとかなるかもしれない。
4)
独立前にやっておいた方がいいのは
・外注先の連絡先(翻訳、図面、税理士など)
・使っている現地代理人のリスト(米欧中はもちろん新興国もできればすべて)
・ファイルの管理方法とか使ってる什器の質とか
・請求額を決める考え方の基本
取引先の名刺を持ち出すと、営業秘密の持ち出しになるので
不正競争防止法にひっかかります。なんか上手にやってください。
5)
独立後は知らない人とアウェーの環境で交渉することが多いので、
ビビっても表情を変えない力とか沈黙に打ち勝つ力とか
広義のヒヤリング能力が高いレベルで要求されます。
相手が経営者だとなかなか大変です。
勤務時代は、なんだかんだで決まった担当者相手ですし
いきなり知らない人と打ち合わせ…な場面は少ないので
業務処理に特化したヒヤリング能力でなんとかなるでしょう。
弁理士に限らず専門職全般に当てはまる内容でしたが
どうでしたか。リクエストがあれば続編を書こうと思います。
ここまで読んでくれた人向けに宣伝など
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最近、契約書を作るときに使った本。
「どのパラメータをいじるとどっちが不利になるか」を項目別に説明してるので
契約書作成初心者に非常に優しい。
収録してるひな形は一般の商取引に使うものなので、
知財向けのは別の場所で入手しよう。
評判がいいのはこれですね。
契約の基本事項の説明がとにかく丁寧。しかも無料。
これなら契約音痴の弁理士さんでも契約書が書けちゃう!