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弁理士は、勤務時代と独立後で何が違う?経験談を少しだけ(054)

1)

勤務時代に扱うのは、関連出願の資料がそろってることが多く、

一から出願書類を書き起こすことは少ない。

過去案件の分析とやりとり履歴の読解があれば、比較的スムーズに仕事が進む。

 

独立後は、顧客の技術分野の一つを任されるところからスタートする。

出願書類は「書き起こしが多い」というより「一からの書き起こし」しかない。

 

2)

勤務時代は、努力値を業務処理能力に前振りできる。

じっくり仕事の処理スピード、品質を鍛えるには最適。

外部との接点が少ないので、だらだら仕事をする癖がつく場合もある

 

独立後は、本業の業務処理に使える時間が半減するので

短期間で手際よく仕事を処理する習慣は身につく。

 

仕事の勉強はつまみ食いが中心になるので、判例や法改正などを

「通して」「体系的に」勉強するのは難易度が高い。

日中はごちゃごちゃするので、落ち着いて仕事できるのは時間外が中心。

 

3)

経理とか営業方法とか値付けとかの業務関連分野の勉強は

「独立してみないとわからない」部分が多い。

もし先に独立した方が知り合いにいれば、横のつながりでなんとかなるかもしれない。

 

4)

独立前にやっておいた方がいいのは

・外注先の連絡先(翻訳、図面、税理士など)

・使っている現地代理人のリスト(米欧中はもちろん新興国もできればすべて)

・ファイルの管理方法とか使ってる什器の質とか

・請求額を決める考え方の基本

 

取引先の名刺を持ち出すと、営業秘密の持ち出しになるので

不正競争防止法にひっかかります。なんか上手にやってください。

 

5)

独立後は知らない人とアウェーの環境で交渉することが多いので、

ビビっても表情を変えない力とか沈黙に打ち勝つ力とか

広義のヒヤリング能力が高いレベルで要求されます。

相手が経営者だとなかなか大変です。

 

勤務時代は、なんだかんだで決まった担当者相手ですし

いきなり知らない人と打ち合わせ…な場面は少ないので

業務処理に特化したヒヤリング能力でなんとかなるでしょう。

 

 

弁理士に限らず専門職全般に当てはまる内容でしたが

どうでしたか。リクエストがあれば続編を書こうと思います。

 

 

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