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「よくまとまってる本」は、全然誉めてないよね(039)

本の評価は、3つの視点で考えています。

1)トピックそのものの目新しさ 尖った話題を書けてるか

2)トピックの説明の上手さ かみ砕いて説明力で勝負できてるか

3)トピックの網羅性  

企画系の人は1)が、講師や先生は2)が、研究者、専門家は3)が

得意な印象があります。 

 

「よくまとまってる」という評がつくのは、3)網羅性が優秀な場合。

評価されるのは、こういう場合です。

トピックの目新しさはない、説明もあんまり上手くないけど

一通り書いてる、自分でまとめる手間は省けた。

「誉めていいのか、これ」というのは、よく思います。

この手の本は。

 

 

抽象的な話だとアレなので、

最近読んだ本にコメントを付けながら説明しましょう。

日本の歴史〈9〉南北朝の動乱 (中公文庫)

日本の歴史〈9〉南北朝の動乱 (中公文庫)

 

約40年前の本です。1) 2) 3)とも満点。二重丸。

何年経っても「定番」「良書」は色あせません。

どの新刊にも「参考書籍」で登場するだけはあります。

 

骨格(全体の目次・構成)論点・事件の網羅性、事実関係の正確性に加え、

説明がこなれてます。

教科書だけど、読んでて面白い。どの方向からも満足できる珍しい本です。

 

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

 

20代のサラリーマン向け、資本主義とマーケティングの入門書です。

3)網羅性はそもそも目指してない、1)説明力勝負です。

 

大学生向けのかみくだいた説明を書籍で再現した(らしい)ので

人気のあるトピックに対しての説明がすばらしい。

印象に残るフレーズをうまく編み出してて、結論もひねってます。

最初読んだときに「類書が存在しない」と思った原因は、たぶんこれ。

 

出版マーケティングのプロが初めて書いた、だけはあります。

 

超iPadバカ 2000種類のアプリをためした男のすごい活用術

超iPadバカ 2000種類のアプリをためした男のすごい活用術

 

1)トピックの目新しさで勝負した本。

iPadアプリは、名前を提示しているだけ。中身の説明はしていない。

選ばれたアプリ名が尖っているので、それで満足すべきなのかも知れない。

 

編集が変わってるし、出版のプロも誉めてました。

かなり売れてます。でも個人的には???な一冊。

「出版の勉強に」なら、間違いなく「買い」でしょう。